夫婦で「今日の心身の状態」を簡単記録:共有が育む『察し合い』と『労り合い』
なんだか不調?でも言葉にできない…夫婦で知るお互いの「心身のサイン」
健康的な生活を送りたい、という気持ちはあるものの、「ウェルネス習慣」と聞くと、何か特別なことを始めなければいけないように感じたり、一人で続けることに難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に夫婦の場合、一緒に何かを始めたいと思っても、どう声をかければ良いか分からなかったり、お互いのペースが違ったりして、なかなか一歩を踏み出せない、というお悩みもあるのではないでしょうか。
また、家族として最も身近な存在である夫婦であっても、お互いの心や体の状態を完全に理解し合うことは容易ではありません。「今日はなんだか疲れているな」「元気がないみたいだけど、どうしたんだろう?」と感じても、相手が言葉にしてくれなければ、その本当の理由や具体的な状況は分かりにくいものです。どう声をかけて良いか分からず、結果的に無関心になってしまう、ということもあるかもしれません。
この記事では、そうしたお悩みを抱える方々に向けて、ウェルネス習慣の第一歩として、「自分自身の心身の状態」を簡単に記録し、それを夫婦で共有することの価値と、具体的な方法についてご紹介します。この簡単な取り組みが、お互いへの理解を深め、「察し合い」「労り合い」の関係を育むきっかけとなるでしょう。
なぜ「心身の状態」の記録と共有が大切なのでしょうか?
ウェルネスというと、運動や食事など、体の健康に焦点が当たりがちですが、心の健康も非常に重要です。そして、心と体は密接に繋がっています。自分の心身の状態に意識を向けることは、ウェルネス習慣の基礎となります。
- 自分自身の状態に気づく: 毎日、自分の心身の状態を記録する習慣をつけることで、普段は意識しないような小さな変化やサインに気づきやすくなります。「なんだかいつもより疲れるな」「今日は気分が良いぞ」といった気づきは、セルフケア(自分で自分の心や体の面倒を見ること)の第一歩です。
- 言葉にしにくい感覚を可視化: 「なんとなく不調」「説明しにくい体の痛み」など、言葉にするのが難しい感覚も、簡単な記録方法を使えば可視化できます。
- 夫婦間の理解を深める: 自分の記録を夫婦で共有することで、言葉にしなくてもお互いの状態を知る手がかりが得られます。「今日はパートナーは少し疲れているんだな」「元気そうで安心した」といったように、相手への理解が自然と深まります。
- 気遣いやサポートのきっかけに: 相手の状態を知ることで、「無理しないでね」「何か手伝おうか?」といった具体的な声かけや行動に繋がりやすくなります。これは、お互いを思いやり、支え合う「労り合い」の関係を育む上で非常に大切です。
どんなことを、どう「簡単」に記録する?具体的な方法
複雑な記録は長続きしません。初心者の方や複雑な操作が苦手な方でも取り組みやすい、簡単な記録項目と方法をご紹介します。
記録する項目例(すべてを記録する必要はありません。一つか二つから始めましょう):
- 今日の気分:
- 例:「晴れ」「曇り」「雨」のような天気で表現
- 例:笑顔、困った顔、疲れた顔などの簡単な絵文字やスタンプ
- 例:一言の単語(例:「リラックス」「忙しい」「モヤモヤ」「スッキリ」)
- 今日の体調:
- 例:簡単な表現(例:「良い」「普通」「少し疲れている」「肩が凝る」「頭が重い」)
- 例:調子の段階(例: 1から5段階で「5が最高」など)
- 今日の睡眠:
- 例:簡単な評価(例:「よく眠れた」「あまり眠れなかった」)
- 例:だいたいの睡眠時間
- 今日のストレスレベル:
- 例:0から10段階で評価
- 例:簡単な表現(例:「低い」「普通」「高い」)
- 心地よいと感じたこと(オプション):
- 例:簡単な一言(例:「温かいお茶が美味しかった」「散歩が気持ちよかった」)
記録の方法例(無理なく続けられる方法を選びましょう):
- 手書きのノートやカレンダー: 日付の横に、簡単な記号や色、短い単語を書き込むだけ。
- スマートフォンのメモアプリ: 簡単な箇条書きで記録。
- 写真: 気分を表す空の写真、体調を癒やす飲み物の写真など、視覚的に記録する。
- サイトの記録機能: もしサイトに心身の状態を記録できる機能があれば、それを利用すると後で共有・振り返りがしやすくなります。簡単なスタンプや短いコメントで記録できる機能があると便利でしょう。
記録は毎日完璧につける必要はありません。体調が優れない日や忙しい日は、無理せずお休みしても大丈夫です。「記録できなかった…」と落ち込むのではなく、「記録できた日はラッキー!」くらいの軽い気持ちで続けることが大切です。
夫婦でどう「共有」する?「見せ合い」から生まれる変化
記録をつけ始めたら、次は夫婦で共有してみましょう。これも特別な時間を設ける必要はありません。日常の会話の延長で、自然に行えるのが理想です。
- 記録を見せる:
- ノートやアプリの画面を、パートナーに見せながら「今日はこんな感じだったよ」と伝える。
- サイトの共有機能があれば、お互いの記録を簡単に確認できるはずです。
- 記録をきっかけに話す:
- パートナーの記録を見て、「今日は『雨』って書いてあったけど、何か辛いことあったの?」と優しく声をかける。
- 自分の記録を見せながら、「今日は良く眠れて、気分もスッキリなんだ!」とポジティブな共有をする。
共有する頻度も、毎日でなくても大丈夫です。まずは週に一度、週末に二人で見返してみることから始めても良いでしょう。大切なのは、「見せなければ」「話さなければ」と義務にするのではなく、お互いの記録に関心を持つことです。
共有が育む『察し合い』と『労り合い』
お互いの心身の状態の記録を共有し合うことで、夫婦の関係に以下のようなポジティブな変化が生まれる可能性があります。
- 言葉にならないサインを「察する」: パートナーの記録を見ることで、たとえ本人が「大丈夫」と言っていても、「実は少し疲れているのかもしれないな」「気分が落ち込んでいるのかな」と、言葉の裏にある状態を「察する」ことができるようになります。
- 具体的な「労り合い」に繋がる: 相手の状態を察することで、「今日は私が夕食を作るね」「一緒に温かいお風呂に入ろうか」「少し一人になる時間が必要かな?」など、相手を「労わる」ための具体的な行動を取りやすくなります。
- 無用な衝突を防ぐ: パートナーがイライラしているように見えても、記録を見て「今日はストレスレベルが高かったんだな」と理解できれば、個人的な攻撃として受け止めず、冷静に対応できる可能性が高まります。
- 感謝と安心感が生まれる: 「自分の不調を気遣ってくれた」「元気な時は一緒に喜んでくれた」という経験は、相手への感謝の気持ちを育みます。また、自分の状態を正直に共有できる安心感も生まれるでしょう。
- 「励まし合い」の基礎となる: お互いの頑張り(例えば「今日は少し運動できた」「早めに休めた」といった記録)や、不調の中でも乗り越えようとする様子を共有することで、「頑張っているね」「無理しないでね」といった、心からの「励まし合い」が自然に生まれます。
まとめ:小さな記録から、夫婦の温かい繋がりを
ウェルネス習慣を始めることに難しさを感じている方も、一人だと続かないと感じている方も、まずは「自分の心身の状態」を毎日少しだけ記録することから始めてみませんか。そして、その記録をパートナーと簡単に共有してみてください。
この小さな一歩が、自分自身への理解を深めるだけでなく、夫婦間でお互いを「察し合い」「労り合う」という、ウェルネス習慣を続ける上での最も強力なサポートシステムを育むことに繋がるはずです。お互いの状態を理解し、温かく支え合う関係性は、二人の毎日に心地よい安心感をもたらしてくれるでしょう。
無理なく、楽しみながら、二人だけのウェルネスダイアリーを始めてみてください。サイトの記録・共有機能を活用すれば、きっともっと手軽に、そして楽しく続けられるはずです。